No.26

[京都府]

窓、敷居、庇で光を操る木の住まい

左官仕上げの外壁に木板張りの軒天、隣家よりも屋根を低く設計し、落ち着きと愛らしさを演出しました。
無駄なくコンパクト、簡素でありながら上品、そんないたや工房の家作りを体現した外観デザインになっています。

採光に配慮し、LDKを2階に配置しました。キッチンをはじめ、背面のカップボードや収納付きテレビボード、
ダイニングテーブルまで、スギ、ヒノキ、サクラ、ウォールナットなどの木を使ってオリジナルで製作しています。

LDKの南側は一面を大きな窓にしました。敷居の高さ、勾配天井の角度、庇の長さや傾斜など、一年を通じた日射角を計算して設定。
バルコニーの手すりの格子に角度をつけて光の量を調整するなどの工夫も施しています。

(左)北側には天窓も。取り込んだ光は階段を介して玄関まで注ぎ込みます。
(中央)小さな壁を入れるだけで視覚的な奥行きが生まれました。
(右)タイルのカウンターに木のキャビネット、洗面化粧台もオリジナルです。

(左上)着物の生地をあしらったステンドグラスの玄関照明。
(右上)3姉妹の子ども室には大きなロフトを設置。
(左下)広いバルコニーはお子さまの読書スペースにも。
(右下)キッチンには革シェードのペンダントランプ。

モザイクタイルをあしらった手洗いコーナーと家族5人分の靴やコートがすっきりしまえる収納を備えた玄関。
踏み板を天然木の一枚板で仕上げ、サクラの床は、根に近い赤みの部分だけを使った貴重なものを採用しました。

オリジナルで製作した木製の引き戸やハンドメイドの玄関照明はいたや工房の定番アイテム。
「私たちのことを思って大切に建てていただいた家なので大切に暮らしていきたいですね」。そんな喜びの声をいただいています。